元小学館編集長の八窪頼明さんは、手塚治虫先生をはじめとするそうそうたるマンガ家を担当され、第一線で活躍されてきたさまざまな体験をもとに『マンガ編集者が語る おもしろさの創り方』(同友館発行)を執筆されました。
現役の編集者の皆さんも読んでおられるこの本の中で、おもしろいマンガの創り方のノウハウをマンガ家の立場に立ってやさしく述べておられる著者に、プロデビューをめざす塾生たちの心に響くお話をしていただきました。
「週刊少年サンデー」「別冊少年サンデー」「ビッグコミック」「ビッグコミックオリジナル」の創刊に加わる。
編集者として、手塚治虫、横山光輝、石ノ森章太郎、藤子不二雄、白土三平、さいとう・たかを、赤塚不二夫、ちばてつや、水島新司、楳図かずお、ジョージ秋山、水木しげる、里中満智子、萩尾望都、竹宮恵子など各氏と交流。
この間、「小学五年生」「ビッグコミック」「別冊少女コミック」「ちゃお」等の編集長を歴任。新人マンガ家育成に力を注ぎ、ビデオ「あなたもまんが家になれる! 少女まんが編」を小学館で立案販売。好評を博する。
小学館を退社後、(株)ホーム社にて、「ちばてつや全集」(全149巻)の編集に携わる。その後、マンガ賞の審査員や大学・短大で臨時に講義をされたりと活躍中。
著書「マンガ編集者が語る おもしろさの創り方」(同友館発行)
次に、マンガ家をめざしている皆さんに、マンガ家になるために何が必要かについてお話したいと思います。
皆さんは、この学校の先生方からストーリーのつくり方や絵の描き方などについて様々なことを学び、編集部に持ち込めば編集者から色々なアドバイスをしてもらうわけですが、それらのアドバイスを生かすも殺すも最後は皆さん自身の心がけというか心意気、あるいは燃えているものがあるかどうか、ということだと思います。
クリエイティブな仕事はすべて同じですが、自分が表現したいことを作品で表現できなければ、いくら理屈で分かっていても、それはできないことと同じことになります。
完璧をめざして頭のなかで考え続けるのではなく、まずペンを持ち、1作描き上げる。1作でも多く描き上げていくことにより、成長していくです。
分かりやすく、スポーツを例にとります。
たとえばテニス。サーブやレシーブやスマッシュやボレーのやり方や勝つための作戦などは、テニスの本を1冊読めば分かります。でも次の日に、コートでテニスができるかといえばできません。練習に練習を重ねて、ようやくできるようになるのです。
マンガも同じ。プロになるには、話を考え、絵を描くのを何度も何度も重ねて、自分の身につけていくものです。
そうすることによって、お話づくりのコツも覚えていきます。絵は描けば描くほどうまくなるし、スピードも身についてきます。
マンガ家になるという強い意志で、あきらめることなく描き続けて欲しいと思います。
3時間にわたる特別講義での要点を全10回ぐらいでご紹介していきます。
次回は、「マンガ家になるために その2」です。
前回は、「編集者って、どんな人?」でした。